催事・物産展で売れるご当地食品の選び方
催事は会期が短く、やり直しがききません。同じ会場・同じ坪数でも、売上が何倍も変わるのは、当日の接客ではなく発注の時点でほぼ決まっているからです。この記事では、催事・物産展で扱うご当地食品をどう選び、どう発注するかを、失敗しやすい順に整理します。
この記事の結論
- 催事の売上は当日の接客ではなく、発注の時点でほぼ決まります。並べた商品の上位数点が売上の大半をつくります。
- 品数を広げるより、売り筋になる数点を厚く確保します。会期2日目に主力が欠品するのが、いちばん痛い失敗です。
- 価格帯は入口・主力・贈答の3つに絞ります。初回の発注量は、会期中の追加発注が間に合うかどうかで決まります。
この記事の結論
- 催事の売上は、当日の接客ではなく発注の時点でほぼ決まる。品数を増やすより、売れる見込みのある数点を切らさない「厚み」を優先する。
- 価格帯は入口・主力・贈答の3つに絞り、最も数量を確保するのは主力の価格帯にする。
- 会期前に、納品日と納品先・リードタイム・賞味期限・混載の可否・追加発注の可否の5項目を確認する。
催事の成否は「品揃えの幅」ではなく「売り筋の厚み」で決まる
催事の準備で起きやすいのが、品数を増やしすぎることです。「せっかくの機会だから幅広く」と考えて50種類・60種類と並べると、かえって売上が落ちることがあります。
理由は単純で、催事に来るお客様はその場で短時間に決めるからです。選択肢が多いほど迷い、迷うと買わずに次の売場へ移ります。会期中に何度も足を運ぶ常設売場とは行動がまったく違います。
実際に動くのは、並べた商品のうちごく一部です。上位数点で売上の大半をつくり、残りは「選ぶ楽しさ」を支える役割だと割り切ったほうが、結果は安定します。だからこそ、売り筋になりそうな商品を十分な数量で確保しておくことが最優先になります。会期2日目に主力が欠品するのが、催事でいちばん痛い失敗です。
POINT
品数を増やすより、売れる見込みのある数点を切らさないこと。催事では「幅」より「厚み」が売上をつくります。
価格帯は3つに絞る
価格がバラバラだと、お客様は自分の予算に合う棚を見つけられません。催事では次の3つの役割を意識して価格帯を設計すると組み立てやすくなります。
| 入口の価格帯 | 手に取りやすく、「1つ試してみよう」と思える価格。ここが薄いと、そもそも最初の1点が売れません。会計につながる入口です。 |
|---|---|
| 主力の価格帯 | 売上の中心をつくる価格帯。パッケージで中身が伝わり、自宅用にも土産にも使える商品を置きます。最も数量を確保すべき層です。 |
| 贈答の価格帯 | まとめ買い・詰め合わせで単価を引き上げる層。点数は少なくてよいものの、あるとないとで客単価が変わります。 |
気をつけたいのは、入口の価格帯を安くしすぎないことです。単価を下げると点数は出ますが、催事は会期あたりの粗利で採算を見る必要があります。「よく売れたのに残らなかった」という結果はここから生まれます。
3つの価格帯を1つのサプライヤーの商品だけで埋めるのは難しく、ここでも取引先の数が増えていきます。常温で流通できるご当地食品はレトルトから水産加工品、調味料、菓子まで14ジャンルにわたるため、価格帯と用途の両方を見ながら組み合わせられると準備が速くなります。
会場別に効く商品は違う
同じご当地食品でも、会場が変われば動く商品は変わります。当社が卸している売場も、百貨店から商業施設、食品小売、レジャー施設まで業態はさまざまです。会場ごとの傾向を押さえておくと、品揃えの方向がぶれません。
百貨店の催事
目的を持って来場するお客様が多く、贈答需要も見込めます。パッケージの質感や説明の丁寧さが効きます。一方で、催事のテーマに沿っているかを求められるため、事前に構成を説明できる状態にしておく必要があります。
商業施設のイベントスペース
通りすがりの来場が中心です。立ち止まる時間が短いので、遠目で何の商品か分かることが重要になります。説明が必要な商品は後方に置き、前方は分かりやすいものを厚めに並べます。
スーパー・食品小売の店頭催事
日常の買い物の流れで手に取られます。普段の売場にない珍しさが効く反面、価格の見え方がシビアです。入口の価格帯を厚くしておくと動きやすくなります。
展示会・法人向けのノベルティ
個人向けとは選び方が変わります。配る相手に説明が要らないこと、常温で持ち運べること、賞味期限に余裕があることが条件になります。数量がまとまるため、発注のリードタイムを長めに見ておく必要があります。
会期と会場が決まっていれば、そこから逆算した品揃えのご相談ができます。リードタイムや混載の可否の確認も、まとめて引き受けます。
催事の相談をする発注量をどう見積もるか
初めての会場では読みにくいものですが、次の順で考えると大きく外しません。
- 会期の日数と、1日あたりの想定来場者数を置く
- そのうち売場に立ち寄る割合、購入に至る割合を保守的に見る
- 想定点数を出し、主力の価格帯に厚く配分する
- 会期中の追加発注が間に合うかを、リードタイムから逆算して確認する
4番目が抜けがちです。会期中に追加が間に合わないと分かっている場合は、最初から多めに入れる以外に手がありません。逆に追加が間に合うなら、初回を抑えて様子を見る判断ができます。どちらを取るかは、仕入れ先のリードタイム次第です。
また、売れ残りをどう扱うかも先に決めておきます。常温で賞味期限が長い商品であれば、次の催事や常設の棚に回せるため、在庫が残っても廃棄になりません。会期の短い催事ほど、この点は効いてきます。受け皿になる常設棚の組み方は、道の駅・サービスエリアの物販棚のつくり方で整理しています。
会期前に必ず確認する5項目
| 納品日と納品先 | 会場直送が可能か、一度自社に入れてから運ぶのか。会場によっては搬入の時間帯が決まっています。 |
|---|---|
| リードタイム | 発注から納品まで何日かかるか。受注生産に近いメーカーもあり、会期直前の発注では間に合いません。 |
| 賞味期限 | 納品時点で期限がどれだけ残っているか。売れ残りを次に回す前提なら必ず確認します。 |
| 混載の可否 | 複数サプライヤーの商品を1便にまとめられるか。まとめられないと、荷受けの手間と送料がそのまま増えます。 |
| 追加発注の可否 | 会期中に追加できるか、できるとして何日かかるか。ここが初回発注量を決めます。 |
5項目とも、仕入れ先ごとに答えが違います。当社の場合は発注単位・混載の可否・リードタイムの目安をお取引条件として公開しているため、この確認を会期前に一度で済ませられます。
会期の短い催事ほど、仕入れ条件の整理が効く
催事はやり直しのきかない商売です。だからこそ、商品を選ぶ前に条件を把握しておくことが、そのまま結果につながります。複数のサプライヤーから集める場合、この確認作業だけで準備期間の多くを使ってしまうことも珍しくありません。
当社は全国47都道府県のご当地食品を約800種類取り扱っており、サプライヤーごとに異なるロット・混載可否・送料・リードタイムの条件を、当社側で1つにまとめてご提示しています。会場の性格や会期の長さをうかがったうえで、価格帯の組み立てからご相談いただけます。
よくある質問
催事では何品くらい並べるのが適切ですか?
品数を増やすことより、売り筋になりそうな数点を切らさないことを優先してください。催事の来場者はその場で短時間に決めるため、選択肢が多いほど迷い、買わずに次の売場へ移ります。実際に動くのは並べた商品のうちごく一部で、上位数点が売上の大半をつくります。
催事の発注量はどうやって見積もればいいですか?
会期の日数と1日あたりの想定来場者数を置き、売場に立ち寄る割合と購入に至る割合を保守的に見て想定点数を出し、主力の価格帯に厚く配分します。最後に、会期中の追加発注がリードタイム的に間に合うかを必ず確認してください。追加が間に合わないと分かっている場合は、最初から多めに入れる以外に手がありません。
催事で売れ残った商品はどうすればいいですか?
常温で賞味期限が長い商品であれば、次の催事や常設の棚に回せるため廃棄になりません。売れ残りの扱いは会期前に決めておき、納品時点で賞味期限がどれだけ残っているかを必ず確認してください。会期の短い催事ほど、この差が採算に効いてきます。
百貨店の催事とスーパーの店頭催事では、選ぶ商品が変わりますか?
変わります。百貨店は目的を持って来場するお客様が多く贈答需要も見込めるため、パッケージの質感や説明の丁寧さが効きます。スーパーの店頭催事は日常の買い物の流れで手に取られ、価格の見え方がシビアなので、入口の価格帯を厚くしておくと動きやすくなります。
この記事について
この記事は、株式会社Roubの卸売事業部が作成しています。当社は自社工場と提携工場での製造受託、卸売、小売までを自社で手がける食品会社です。全国47都道府県のご当地食品 約800種類を、道の駅・観光施設・小売店・催事などの売場へ卸しています。
自社でも実店舗とECでご当地食品を販売しており、記事の内容は、そこでの販売と日々の受発注・売場のご相談で実際に伺っている論点をもとにまとめています。取引実績は常温で物販が成り立つ場所であれば業態を問わず、守秘の都合から匿名で掲載しています。
株式会社Roub / 神奈川県横浜市西区浅間町1丁目4番3号 ウィザードビル402 / Roubホームページ
ご当地食品 卸売事業